前回の記事から引き続き、東京サラブレッドクラブ2025年度募集について、カタログ到着までの間に血統からの印象をまとめています。
この記事では、栗東入厩予定の牝馬について検討していきます。
↓前回までの記事はこちら↓
ラインナップ
インディゴブルーの24
2月6日生/奥山ファーム生産
預託厩舎 上村洋行厩舎

父エピファネイアに母は現役時代には未勝利戦2着までのインディゴブルー。東サラさんには産駒の3頭全て募集されており、全兄のレッドフェルメールは芝1,800mで勝ち上がっています。
牝系は非常に優秀で、フサイチコンコルドやアンライバルド、ヴィクトリーなどGⅠ馬も多くでているバレークイーンの系統。近親でも叔父にAJCCを勝ったアリストテレスがいますし、活力があるファミリーだと思います。
配合はすでに全兄が走っており、アリストテレスも父はエピファネイアですからかなり信頼性の高そうな配合。父エピファネイアに母父ロードカナロア、母母父ディープインパクト、母母母父トニービンでバレークイーンの牝系ですから、文句のつけどころは無いです。
良血馬で信頼性も高そうな配合ですから、かなり魅力的な1頭。募集価格や馬体次第では出資候補上位にくると思います。
レッドルレーヴの24
2月8日生/社台ファーム生産
預託厩舎 友道康夫厩舎

父エピファネイアに母は東サラさんで募集され、フラワーC2着実績のレッドルレーヴ。全姉のレッドプルーヴに続いて東サラさんでの募集となります。
牝系はダイナカールからの一族で、ルーラーシップやアドマイヤグルーヴなど輩出している系統。叔父にはランフォザローゼスやレッドモンレーヴもいて活力も十分だと思います。
配合的にはエピカメサンデーに近い配合で悪く無いはず。牝系も優秀で抜け目の無い配合だと思います。
東サラさんでも上位の良血馬でかなり人気しそう。当然字面からの評価も高くなります。
エターナルディーバの24
4月6日生/辻牧場生産
預託厩舎 安田翔伍厩舎

父キズナと母にはダート1,800mで勝ち上がった実績があるエターナルディーバとの配合。東サラさんではエターナルディーバの産駒は昨年に続き2頭目の募集。半兄ミラクルメイキングは大井の重賞で3着に入るなど活躍しています。
牝系をみてもダートに強そうな系統で、曽祖母のパーソナルレジェンドからは東京大賞典を勝ったローマンレジェンドやエンプレス杯を勝った祖母のミラクルレジェンド、叔父にはユニコーンS2着のグレートタイムがいます。
今回は父キズナに変わりますが、印象としてはやはりダート向きを意識しているかなと思います。サンデーサイレンスのクロスやStorm Birdのクロスもバランス良く入っているように感じますし、良さそうな配合だと思います。
配合も好みで、馬体がダート向きにでていて募集価格が手が届く範囲であれば出資候補になる1頭。ただ、父がキズナですから募集価格が少し高くなりそうなところが気になります。
オペラデイムの24
2月23日生/三嶋牧場生産
預託厩舎 中内田充正厩舎

父キズナに母はオペラデイムの配合。オペラデイムの産駒では全姉のチカミリオンがダート1,800mで2勝を挙げています。
牝系はRahyやシングスピールが出ているGlorious Songの系統。近親でも祖母のMezzo Sopranoは仏GⅠヴェルメイユ賞を勝っていますし従兄弟のテリトーリアルは小倉大賞典を勝っているなど活力もありそうなファミリー。
配合的には全姉で実績がありますから、同じようにダート中距離馬を想像します。DamascusやHaioのクロスもバランスが良さそうな印象で、良い配合だと思います、
全姉の成績は好印象ですし、牝系も優秀ですから馬体等みるのが楽しみです。評価も高めな1頭です。
ヴェニュセマースの24
3月24日生/坂東牧場生産
預託厩舎 須貝尚介厩舎

父コントレイルに母は現役時代は未勝利で引退したヴェニュセマースの配合。東サラさんでヴェニュセマースの産駒の募集は昨年のルージュウラヌスに続き2頭目。
牝系を遡ると4代母のWedding Bouquetは英ダービー馬ジェネラスや英オークス馬のImagineの半姉にあたります。祖母のスターズアンドクラウズは全欧古馬チャンピオンのムーンライトクラウドの半妹で、近親ではJRA勝ち上がる馬もいるので活力はありそうなファミリーだと思います。
母父Siyouniに関しては産駒のシンエンペラーが日本ダービーで3着に入るなど、日本の芝への適性は高そうな印象があることから、父コントレイルとの配合では、芝中距離向きの適性をイメージします。
優秀な牝系で父はコントレイルという良血馬ですが、母の現役時代の実績を踏まえると、産駒の実績がまだ無い現段階では出資に少しリスクを感じてしまいます。
レッドオルガの24
4月11日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 藤原英昭厩舎

父サートゥルナーリアと母は東サラさんで募集され東京新聞杯2着の実績をもつレッドオルガの産駒。レッドオルガの産駒が東サラさんで募集されるのは3頭目。半姉のルージュリテールはリステッド競争のスイートピーSを勝っています。
祖母に数多くの活躍馬を出したエリモピクシーがいる系統で、半姉の活躍を踏まえるとかなり活力のあるファミリーだと思います。
配合的には半姉のルージュリテールが父ロードカナロアですから、今回のサートゥルナーリアとの組み合わせは悪くないはず。芝中距離くらいで活躍しそうな印象を持ちます。
かなり信頼性の高そうな配合で高評価になります。恐らくそれなりの募集価格になると思いますが、字面からの印象だと納得できる血統を持っていると思います。
グラットンラッシーの24
2月5日生/追分ファーム生産
預託厩舎 池江泰寿厩舎

父スワーヴリチャードに母は現役時代にダート短距離で勝ち上がった実績のグラットンラッシーの配合。今回募集されるグラットンラッシーの24が初仔になるようです。
祖母のBrassy Lassieは米GⅢジェファースンカップSを勝ったSahamの半妹。
配合的には米国系の血が多く、父スワーヴリチャードの現役時代を思い出すと晩成傾向がありそうな印象がある点を踏まえれば、ストームキャットのクロスを持っていて、スピードもあった母との相性は良いのではないかと思っています。
血統的にはなかなか興味い配合で、印象は悪くないです。ただ、初仔ですし馬体のサイズや募集価格がどの程度か気になるところです。
カイザーバルの24
3月28日生/社台ファーム生産
預託厩舎 辻野泰之厩舎

父ブリックスアンドモルタルに母は秋華賞3着のカイザーバルの配合。全兄のエレクトリックブギは芝1,800mで3勝しています。
優秀な牝系に属しており、曽祖母ダンシングキイからはダンスパートナーやダンスインザダーク等多くの活躍馬が出ています。祖母のダンスインザムードは桜花賞やヴィクトリアマイルを勝っており、フェアリーSを勝ったダンスファンタジアを輩出するなど活力があるファミリーです。
配合的には、全兄エレクトリックブギで実績があり信頼性は十分。どれくらいの募集価格に設定されるかわかりませんが、字面からはかなり良さそうな印象を持ちます。
ラーゴブルーの24
2月2日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 斉藤崇史厩舎

父ホットロッドチャーリーに母は交流重賞のマリーンCを勝っているラーゴブルーの配合。ラーゴブルーの産駒では昨年のレッドフレーザーに続いての募集。半兄オコタンペはダート短距離で2勝。
曽祖母フェアリードールからはトゥザビクトリーなど数多くの活躍馬が出ている系統に属しています。叔母にはデニムアンドルビーもおり、活力があるファミリーだと思います。
父ホットロッドチャーリーの産駒がどののうな傾向に出るかわからないところはありますが、母の成績からもダート向きかなとイメージしています。
不確定要素こそありますが血統自体は良いと思いますし、馬体や募集価格によっては楽しみな1頭だと思います。
メジャーマジックの24
2月10日生/社台ファーム生産
預託厩舎 大久保龍志厩舎

父マインドユアビスケッツに母は現役時代にダート1,800mで勝ち上がった実績があるメジャーマジックの配合。半兄ドルチアーリアは母同様にダート1,800mで勝ち上がっています。
牝系は曽祖母に伊1000ギニーを勝ったスーアがいる系統で、祖母のソーマジックは桜花賞3着。叔父にソーヴァリアント、叔母にはマジックキャッスルやソーダズリングがいるファミリーに属しています。
母や半兄はダートで走っていますが血統的には芝も適性はあると思いますし、父マインドユアビスケッツなので、芝ダートどちら向きでも走れそうな印象を持ちます。
活力があるファミリーですし、馬体や気性次第である程度融通がききそうな感じの血統かなと考えるとなかなか良さそうな印象を持ちます。
スターオブエマラーティの24
3月3日生/社台ファーム生産
預託厩舎 奥村豊厩舎

父ロードカナロアに母は愛国産馬のスターオブエマラーティの配合。叔父にはインタナショナルSやサセックスS、インタナショナルSで勝つなど活躍したRip Van Winkleがいるファミリーに属しています。
配合的にはどの程度日本適性があるのか判断しにくいところはありますが、父はロードカナロアなのでバランスはとれていそうな印象はあります。
不確定要素が多いので、字面からはやや手が出しにくい印象が強いです。
アストライアの24
4月22日生/辻牧場生産
預託厩舎 寺島良厩舎

父モーリスに母は未現役時代に勝利戦5着までのアストライアの配合。半兄のレッドセラスに続いての募集になりますが、レッドセラスの成績が冴えないところが気になります。
祖母は桜花賞馬のハープスターで、4代母には牝馬二冠のベガがいる系統に属しています。叔父のライラスターは3勝を挙げているので、母と半兄の成績をどうとらえるか難しいところ。
配合的には父がモーリスに変わることで、もしかすると半兄とは違った傾向の馬に出ている可能性はありそう。父モーリスに母父キングカメハメハ、母母父サンデーサイレンスの配合からノッキングポイントが出ており、母母父がディープインパクトに変わっても相性は悪くないのではないかと想像します。
かなり魅力的な牝系ですが、母や半兄の成績を見てしまうとリスキーさを感じます。
フロータスの24
4月3日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 松永幹夫厩舎

父Saxon Warriorに母は英GⅠカマンウェルスC3着や愛GⅠフライングファイヴ3着などの実績がある愛国産馬Flotusの配合。父はSaxon Warriorですが、母は短距離向きの血統だと思いますのでマイルくらいに適性がありそうな印象。
かなり馬力はありそうなイメージを持ちますが、日本競馬への適性がどの程度あるかが鍵になると思います。その点に判断が難しいところがある以上、どうしてもリスキーさが拭えません。
特に気になった馬
今回の記事で一通り東京サラブレッドクラブの25年度募集馬を字面から評価してきましたが、栗東に入厩予定の牝馬もなかなかの馬を揃えている印象は変わりません。今年の東サラさんの募集馬のラインナップはアベレージが高そうというのが率直な印象。まだ募集価格は発表されていませんが、恐らくどの価格帯でも魅力的な募集馬がいるのではないかと想像をしています。
栗東所属予定の牝馬の中で特に気になったのはレッドルレーヴの24。抜け目の無い配合で血統だけ見ればかなりのポテンシャルを感じます。
アナログ派のゴリたか君としてはカタログをめくりながらいろいろ想像したりするのが一番楽しいので、今年も東サラさんからカタログが届くのを心待ちにしています。