前回の記事から引き続き、東京サラブレッドクラブ2025年度募集について、カタログ到着までの間に血統からの印象をまとめています。
この記事では、美浦入厩予定の牝馬について検討していきます。
↓牡馬の検討記事はこちら↓
ラインナップ
ベッサメモーの24
4月14日生/社台ファーム生産
預託厩舎 古賀慎明厩舎

父イスラボニータに母は米国産馬でJRAのダート1,700mで勝ち上がったベッサメモーの配合。ベッサメモーの産駒はまだデビューしていません。ベッサメモーの24の従兄弟には米GⅠラブレアS2着のAwake At Midnyteがいる系統です。
血統表を見ると5代前までにクロスはありませんが、母父Uncle Moはフォルティノ系で、父母父のCozzeneと同じ系統なのが興味深いところ。恐らくダート向きなのかなと想像します。
字面から受ける印象は悪くありませんが、かといって特別良さそうとも言い切れず、馬体面や募集価格等踏まえて改めて評価したいところ。
マレーナの24
3月24日生/信岡牧場生産
預託厩舎 新規開業厩舎

父ウィルテイクチャージに母はダートの短距離〜マイルで3勝したマレーナの配合。マレーナの産駒が東サラさんで募集されるのは5頭目です。ヘニーヒューズとの産駒のレッドゲイルはダート短距離で4勝を挙げてオープン入りしており、マレーナは母としての実績もあります。
叔父にはスプリングS2着のアウトライアーズがおり、母のや兄姉の実績から活力もありそうなファミリーに属していると思います。
今回は父がウィルテイクチャージに変わりますが、配合的にはダート向きを狙っていると思えるところが明確で良いですね。兄姉達とは違った系統の配合になるので、相性は掴みかねるところはありますが悪い印象はありません。
字面からの印象としては、ダート向きの馬体に出ていれば面白そうな血統だと思います。
チルノの24
2月17日生/坂本智広生産
預託厩舎 大竹正博厩舎

父キズナに母は英産馬で現役時代に芝1,400mで2着実績のチルノの配合。チルノの産駒が東サラさんで募集されるのは2頭目。半姉のレジポッセはダート1,700mで勝ち上がっていますが、以前東サラさんで募集されたルージュチルルは厳しい結果で引退しているのが少し気になります。
従姉妹に仏1000ギニー2着のリンディーや叔母にコンセイユドパリ賞3着のChilda、従兄弟にラフォルス賞を勝ったChileanなど活力はありそうなファミリーに属しています。
父がキズナに変わりますが、シルバーステート産駒のルージュチルルの成績を見ると相性が良さそうとは言いにくいところがあります。
牝系は悪くないものの、半姉の成績が引っかかるので、字面からはややリスキーな印象を持ちます。
インデリブルの24
3月3日生/社台ファーム生産
預託厩舎 森一誠厩舎

父キタサンブラックに母は米国産馬のインデリブル。昨年のルージュエテルナに続き東サラさんで産駒が募集されます。インディブルの産駒ではエッセンシャルワンがデビューしており、新馬戦で5着とまずまずな印象。
牝系を遡ると曽祖母のコントライヴは三冠馬コントレイルの曽祖母にあたります。曽祖母コントライヴの産駒には米2歳牝馬チャンピオンのFolkloreがいますし、叔父には米2歳と3歳のチャンピオンEssential Qualityがいます。
配合的にはデイズリーの牝系クロス4×4があるのが好みです。また、Lyphardの5×5×5があるのも良いのではないかと考えています。
配合は好みですし、牝系も優秀ですから字面からの評価としては高くなります。ただ、募集価格もそれなりに高くなりそう。
クイーンズアドヴァイスの24
2月16日生/社台ファーム生産
預託厩舎 木村哲也厩舎

父コントレイルと母には亜GⅢオクレンシア賞を勝ったクイーンズアドヴァイスの配合。東サラさんでクイーンズアドヴァイスの産駒が募集されるのは4頭目で昨年募集されたルージュボヤージュは全姉になります。
クイーンズアドヴァイスの産駒ではレッドランメルトが4勝、オクタヴィアヌスが3勝を挙げており母としての実績も十分。曽祖母、祖母、叔父も活躍した実績がありますから、活力は十分なファミリーに属していると思います。
配合的にも、レッドランメルトはディープインパクトが父だったことを踏まえると相性は悪くないはずと考えます。また、サトノダイヤモンドもレッドランメルト同様に父ディープインパクトに母父Orpenだったことを踏まえるとより信頼性が高そうに感じます。
魅力的な配合に日本適性もありそうな母の産駒ですから、当然字面からは高評価になります。ただ、零細一口馬主のゴリたか君には高嶺の花になりそうです。
レッドエルザの24
3月28日生/レイクヴィラファーム生産
預託厩舎 田中博康厩舎

父コントレイルに母は東サラさんで募集され、未勝利戦2着実績のレッドエルザの配合。レッドエルザの産駒は東サラさんで募集されてきましたが、重賞で好走したレッドレオンやレッドキングリーを輩出した実績があります。ただ、活躍馬も出す一方で当たりハズレもある印象。
牝系は優秀で、叔父のはEnglish Channelは BCターフを勝つなど活躍。近親にも海外重賞で実績がある馬が多く、活力がありそうなファミリーに属しています。
配合的には判断が難しく、レッドレオンが父ディープインパクトというところを考えると父コントレイルは悪くないと考えますが、父がスピルバーグで3/4同血のレッドアスランの成績がイマイチなところを考えると手放しで良いとも言い切れないところ。
字面からは判断が難しいところで、馬体等他の要素を含めて評価したい1頭。コントレイル産駒で募集価格もそれなりになるでしょうから、その点ではややリスキーな印象。ただ、重賞で好走するような活躍もしそうで判断が難しいです。
キラモサの24
3月17日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 加藤征弘厩舎

父サートゥルナーリアと母にはオーストラリアのGⅠVRCオークスで勝った実績をもつキラモサの配合。キラモサの産駒は安定して勝ち上がる馬が多く、日本競馬への適性は高そうな印象。
牝系は曽祖母にNZ1000ギニーを勝ったOlga’s Palがいる系統です。
配合的には今まで勝ち上がっている兄姉達がサンデーサイレンス系の父でしたから、今回父がサートゥルナーリアに変わることへの影響がなんとも言えないところ。たた、なんの根拠もありませんが悪くはないような気はします。
不確定要素こそありますが、半兄姉達の実績を見ればキラモサの母としての日本適性の高さは感じられますし、悪くないのでは無いかと思っています。
スパングルドスターの24
2月19日生/社台ファーム生産
預託厩舎 栗田徹厩舎

父サートゥルナーリアに母は芝中距離で3勝のスパングルドスターの配合。今回募集されるスパングルドスターの24が初仔になります。
かなりの良血馬で、叔母にソウルスターリング、従姉妹にスターズオンアースがいるファミリー。また、祖母のスタセリタは仏オークスを勝っているなど、失礼な話ですがなんで東サラさんに来たのか不思議なくらいの血統です。
配合的にも父は良血馬のサートゥルナーリアで文句のつけどころがありません。
これだけの良血馬ですから、字面からは最高級の評価になります。ただ、初仔でもしかしたら小さいとか何かあるのではと勘繰ってしまうところはあります。あとは、ゴリたか君の予算では恐らく手が届かないと思います。
レッドマジュールの24
3月26日生/杵臼牧場生産
預託厩舎 矢嶋大樹厩舎

父サートゥルナーリアと母は東サラさんで募集され芝1,400〜1,800mで3勝したレッドマジュールの配合。レッドマジュールの産駒は上の2頭とも東サラさんで募集され、レッドバレンティアは芝マイル〜1,800mで2勝しています。ただ、もう1頭のルージュノブレスの成績がイマイチなところは少し気になります。
叔母に全欧3歳牝馬チャンピオンのマンデシャがいるファミリーで、牝系を遡るとムムタズマハルの系統という血統馬。ムムタズマハル一族というだけで出資したくなります。
配合的には既に実績のあるレッドバレンティアの父がサートゥルナーリアと3/4同血のリオンディーズになりますから、相性は悪くないはず。恐らくレッドバレンティア同様芝マイル~中距離くらいに適性があるのではと考えます。
半姉ルージュノブレスの成績がやや引っかかるものの、レッドバレンティアとは血統構成が同じになのでそこは気にしなくてもよいのかなと思います。浪漫のある血統で、馬体や募集価格によってはかなりそそられる1頭です。
リュズキナの24
2月11日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 手塚貴久厩舎

父フィエールマンに母は東サラさんではお馴染みの良血馬リュズキナの配合。リュズキナの産駒には、京都新聞杯を勝ったレッドジェネシスやクイーン杯3着のルージュスエルテなど血統の良さに負けない産駒を輩出しています。
牝系は優秀で、曾祖母のズマルードからは英2000ギニーを制するなど活躍したキングオブキングスや孫に仏GⅡロンポワン賞などを勝ったチャイナヴィジットなどがでています。祖母のラッキーはキングオブキングスの全妹にあたります。
配合的には父がディープインパクトのレッドジェネシスが重賞で勝つ活躍をしているので、父がフィエールマンにかわるリュズキナの24も期待が持てる配合だと思います。
字面では悪い印象が無く、父がフィエールマンに代わることでもしかしたら手が届く範囲の募集価格に設定されるかもしれない期待もあります。馬体と募集価格が公開されるのが楽しみです。
ディオジェーヌの24
4月6日生/新冠橋本牧場生産
預託厩舎 鹿戸雄一厩舎

父ブリックスアンドモルタルに母は現役時代に芝中距離で3勝のディオジェーヌの配合。ディオジェーヌの産駒では、デビューから2連勝したリブーストがいます。他の産駒もJRAで勝ち上がれてはいないもののまずまずの成績を残しており悪い印象はありません。
祖母のフォーシンズは愛GⅡブランドフォードステークスを勝っており、叔父叔母にもJRAで勝ちあがる馬が出ていることから日本競馬との相性も悪くはないファミリーだと思います。ただ、勝ち上がる馬の割合は微妙なところで手放しで良いとも言い切れないところはあります。
配合的には米国系の父に母父ディープインパクト、母母父は凱旋門賞と英ダービーを勝ったSinndarですからバランスの取れた配合だと思います。また、父ブリックスアンドモルタルに母父ディープインパクトの組み合わせもゴンバデカーブースが出ているので相性は悪くないのではと考えます。
やや当たりハズレのありそうな印象もありますが、バランスの取れた配合で悪いイメージはありません。
ジルズパレスの24
4月8日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 奥村武厩舎

父リオンディーズに母はダート短距離で新馬勝ちの実績があるジルズパレスの配合。ジルズパレスの産駒ではコールブランドが地方で5勝を挙げています。
配合的には母や半兄コールブランドの成績からダート向きに出ていそうな印象。父リオンディーズはヌレイエフとサドラーズウェルズの相似な血のクロスがあるところに、母父ストームキャット系の組み合わせになりますから、ノーザンダンサーの血が強くなるところがどうでるか。ただ、父はキンカメ系で父母はサンデーサイレンス系、母父はストームキャット系で母母はAPインディ系とバランスは良さそうな配合。
字面では悪い印象こそないものの、不確定要素が多く手が出しづらいところがあります。
特に気になった馬
今回は美浦に入厩予定の牝馬を血統から検討してみましたが、多彩ながら良質な募集馬を揃えてきた印象。良いなと感じる馬が多すぎて字面だけで出資候補を絞るのは難しいです。
今回検討をしてきた中で、ゴリたか君が特に気になった馬はスパングルドスターの24とレッドマジュールの24の2頭。スパングルドスターの24は良血馬すぎてどのみち出資できる馬ではないと思いますが、野次馬的にどのような馬体の馬か今から興味があります。レッドマジュールの24に関しては、ムムタズマハルの牝系が魅力で配合も悪くなく、こんな血統の馬に出資できたら思わず自慢したくなるような1頭です。
次回は栗東に入厩予定の牝馬について検討をしていくつもりですが、血統表を眺めながらいろいろ想像する時間は楽しいです。