前回の記事では東京サラブレッドクラブの25年度募集馬で美浦入厩予定の牡馬について、6月9日以降のカタログ情報公開に備えて血統面からの出資検討を進めました。
今回は、栗東入厩予定の牡馬について検討していきます。
↓美浦入厩予定 牡馬の検討記事はこちら↓
ラインナップ
デサフィアンテの24
1月30日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 池江泰寿厩舎

父アルアインに母は現役時代に未勝利ながら1勝クラスで2着の実績があるデサフィアンテの配合。デサフィアンテの産駒ではシルシがデビューしていますが、記事を書いている時点では厳しい印象。
牝系を見ると、祖母のアヴァンチュラは秋華賞馬。曽祖母のアドマイヤサンデーは阪神牝馬特別2着。アドマイヤサンデーからは多くの活躍馬が出ており、オークス馬のトールポピーや孫にジャパンカップを勝ったヴェラアズールもおり、他にも重賞で活躍した馬が多数出ている優秀な系統。
配合的には、父アルアインも母デサフィアンテも芝中距離で活躍しているので、イメージ的には芝中距離向きかなと想像します。サンデーサイレンスの3×4は最近では定番のクロスなので評価検討する上では良くも悪くも感じません。
牝系は非常に優秀だと思いますが、半姉の成績も踏まえると少し不安が残るところがあり、字面からはややリスキーな印象のほうが強いです。
ジプシーハイウェイの24
4月7日生/社台ファーム生産
預託厩舎 藤原英昭厩舎

父エピファネイアに母は愛国産馬で仏GⅢミエスク賞2着実績を持つジプシーハイウェイの配合。ジプシーハイウェイの産駒では、阪神牝馬S2着のアマルフィコーストや芝中距離で4勝しているミステリーウェイがおり、優秀な母と言えます。
また、祖母は仏1000ギニーを勝っており活力がありそうなファミリーに属しているのもプラス材料。
配合的には、Sadler’s Wellsの4×3がどのように出るかが難しいところ。日本競馬への適性というところでは、少し難しそうな印象があります。同様のクロスをもっているスピルバーグが父のコースタルチャートがJRAで勝ち上がれなかったことから、この部分はリスキーな気がします。
優秀なファミリーに属しているところは魅力的ですが、父エピファネイアなので恐らく募集価格も高額になることを考えると、ややリスキーさを感じます。
ダーヌビウスの24
3月30日生/三嶋牧場生産
預託厩舎 中内田充正厩舎

父エピファネイアに母は現役時代に2戦して未勝利のダーヌビウス。ダーヌビウスの産駒2頭は東サラさんで募集されていて、既にデビューしている全兄のレッドイステルは芝1,800mで勝ち上がっています。
祖母は重賞2勝のドナウブルーで、曽祖母には牝馬三冠ジェンティルドンナを輩出したドナブリーニがいる非常に優秀な牝系に属しています。叔母にも阪神牝馬S3着のドナウデルタがいますし、活力も十分ありそうなファミリーです。
血統的にはエピファネイアと相性が良いエピカメサンデーに近い血統構成で良さそうな配合。全兄のレッドイステルで実績もありますから、字面は申し分ないとみて良いのではないでしょうか。
信頼性の高い血統で、東サラさんの募集馬の中では相対的にかなり優秀な1頭であることは間違いないかと思います。ただ、募集価格も高く設定されるのも間違いないと思うので、ゴリたか君としては手が届かないのも恐らく間違いないです。
ステイホットの24
4月22日生/社台ファーム生産
預託厩舎 武幸四郎厩舎

父オルフェーヴルと母は現役時代にダート短距離でJRA2勝、船橋で2勝の実績を持つステイホットの配合。ステイホットの産駒には芝短距離で勝ち上がったティピティーナがいます。
祖母は伊GⅢ伊1000ギニーを勝ったステイアライヴ。母のステイホット以外の叔父叔母の成績が微妙なところがやや懸念材料です。ただ、半姉も勝ち上がっていますし、そこまで割り引く必要もないのかなと考えます。
配合的にはオルフェーヴルとダート実績のある母の組み合わせになるので、ダート向きの産駒に出てるのかなと想像します。オルフェーヴルと母父アグネスタキオンの組み合わせは良くも悪くもなくと言った印象ですが、母父キャプテントゥーレとなる本馬はトニービンの血も入るので印象的には悪く無いです。
字面からうける印象としては良いとは言い切れないけれど、決して悪くないのではないかというところ。馬体や募集価格など、他の要素次第で評価が分かれるのかなと考えています。
ボインビューティーの24
2月18日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 友道康夫厩舎

父キタサンブラックと、東サラさんではお馴染みのボインビューティーの組み合わせ。半姉には東サラさんで募集され芝とダートで3勝を挙げているレッドスタニングがおり、叔父に世界的に活躍したアロゲートがいる魅力的なファミリーに属しています。
配合的にも父キタサンブラックと母父Giant’s Causewayの組み合わせからエコロデュエルが出ていますから悪くはないはず。キタサンブラック産駒なので、どちらかと言えば芝向きかなとは思いますが、ボインビューティーは米国系の血統構成だと思うので、ダート向きにでても走りそうな感じはします。
字面からの印象は信頼性の高そうな配合ですから、かなり良さそうに感じます。ただ、募集価格がゴリたか君の予算からは恐らく乖離してる可能性が高いだろうな思うところが悲しいところ。
レッドシャーロットの24
2月11日生/吉田ファーム生産
預託厩舎 庄野靖志厩舎

父ルヴァンスレーヴと母には芝とダートの短距離で2勝を挙げた実績をもつレッドシャーロットの配合。レッドシャーロットの産駒では初仔のレッドアーネストがデビューしていますが、新馬戦で4着とまずまずな印象。
牝系は4代母のフェアリードールからトゥザヴィクトリーなど活躍馬が多く出ている系統。曽祖母ピーポジティブもクイーン賞を勝っていますし、近親でも勝ち上がる馬が多く活力がありそうなファミリーだと思います。今回東サラさんで募集されているレッドシルヴァーナの24とは従兄弟になります。
配合的には父がルヴァンスレーヴですから、ダート狙いの配合だと思います。レッドシャーロットが母父にロードカナロア、母母父クロフネ、母母母父サンデーサイレンスと日本適性の高い配合を重ねられていかにも走りそうですし、4代母のフェアリードールの父はヌレイエフですからダート適性も高い配合だと思います。
血統面では抜け目の無い配合で好印象。ダート向きの馬体に出ていれば魅力的な1頭になると思います。
レッドシルヴァーナの24
3月4日生/谷川牧場生産
預託厩舎 清水久詞厩舎

父クリソベリルに母は東サラで募集されダートで3勝を挙げた実績をもつレッドシルヴァーナの配合。レッドシルヴァーナの産駒は記事を書いている時点ではデビューしていません。
牝系を遡ると4代母のフェアリードールからはトゥザヴィクトリーなど活躍馬が多くでており、曽祖母ピーポジティブもクイーン賞を勝っています。近親でも勝ち上がる馬が多く活力がありそうなファミリーに属していると思います。昨年東サラで募集された従兄弟のレッドレヴェディスとは、母同士が全姉妹で父が同じクリソベリルになりますから血統構成が同じになります。
配合的には父クリソベリルとレッドシルヴァーナの組み合わせでダート狙いのだと想像します。血統構成が似ている父父ゴールドアリュールと曽祖母ピーポジティブのところでサンデーサイレンスとヌレイエフのクロスがはいるのも結構好きです。
狙いも明確ですし、配合も好みで気になる1頭。馬体や募集価格によっては出資候補になります。
ラストグルーヴの24
4月10日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 福永祐一厩舎

父サートゥルナーリアに東サラさんでも屈指の良血馬ラストグルーヴが母の配合。ラストグルーヴからは京王杯スプリングC勝ち馬レッドモンレーヴのほか、重賞で好走実績があるランフォザローゼスやレッドルレーヴなど字面に負けない活躍馬を出しています。
曽祖母にはダイナカール、祖母にはエアグルーヴという名牝系に属しており、近親にはアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップ、ドゥラメンテなど挙げればきりがないほど活躍馬が並んでいます。
今回は初めてサートゥルナーリアを父に迎えましたが、半兄レッドモンレーヴは父ロードカナロアですし、ランフォザローゼスやレッドルレーヴは父キングカメハメハになりますから、相性は悪くないはずと考えます。芝のマイル〜中距離くらいに適性があるイメージを持ちます。
字面では文句のつけどころが無く、当然馬体次第ではあると思いますが人気は必至かと思います。ゴリたか君は予算の都合上候補にはなりませんが。
レッドクラウディアの24
2月20日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 四位洋文厩舎

父ディスクリートキャットと母は東サラさん募集馬で交流重賞のクイーン賞を勝った実績があるレッドクラウディアの配合。レッドクラウディアの産駒は安定して走っている印象で、特に東サラさんの募集馬は勝ち上がり率が優秀です。
牝系はダートで走る馬が多い印象があり、そんな中でも近親で目立った活躍馬が母のレッドクラウディア。勝ち上がる馬もそれなりな印象で、割と活力はあるファミリーだと思います。
配合的には父ディスクリートキャットで恐らくダート向きかなとは想像しますが、母は芝でもフィリーズレビューで7着と走っていますから、芝ダートどちらでも対応できそうなイメージはあります。
信頼性の高そうな血統ですから、回収できそうな募集価格帯であれば出資候補になりそう。
レッドイリーゼの24
2月13日生/社台コーポレーション白老ファーム生産
預託厩舎 田中克典厩舎

父ポエティックフレアと母には東サラさんの募集馬で現役時代には芝マイル〜1,800mで2勝の実績があるレッドイリーゼの配合。レッドイリーゼの産駒ではティティナが芝2,000mで勝ち上がっています。
優秀な牝系で曽祖母のMagnificient Styleからはナサニエルやグレートヘヴンズなどが出ている系統。叔父には重賞2勝のレッドアンシェルもいるので、活力十分なファミリーに属していると思います。
父がポエティックフレアということで、まだどのような傾向の産駒に出るかわからない点が多いところはありますが、ガリレオ系のマイラーと考えると洋芝かダートのマイルあたりに適性がありそうなイメージがあります。配合的には、Crimson Saintの牝系クロスがあるのは好みです。
不確定要素はありますが、優秀なファミリーですし、馬体や募集価格などによっては魅力がありそうな印象をうけました。
コンパルティシオンの24
4月18日生/追分ファーム生産
預託厩舎 杉山晴紀厩舎

父ミッキーアイルに母は米国産馬のコンパルティシオンの配合。コンパルティシオンはBCフィリー&メアターフを勝ったShared Accountを母に持ち、半姉にはBCジュヴェナイルフィリーズターフを勝ったSharingがいます。
配合的には母父マスタリーですから恐らくダート向きかなと想像。5代前までクロスが無くバランスのとれた配合に感じます。
字面からの印象は悪くないです。馬体等他の要素次第というところはありますが気になる1頭。
特に気になった馬
今回は栗東入厩予定の牡馬について血統面からの出資検討を進めてみましたが、美浦入厩予定の募集馬同様、今年は良質な血統の募集馬が揃っている印象は変わりありません。
そんな中でゴリたか君が気になったのは、ダーヌビウスの24とレッドシルヴァーナの24の2頭。ダーヌビウスの24に関しては単純に字面から1番良いと感じました。レッドシルヴァーナの24は血統構成が好きでゴリたか君の予算では現実的に出資候補になりそうな印象。
今回で牡馬は一通り目を通したので、次回の記事では美浦入厩予定の牝馬について血統からの出資検討を進めていこうと思います。