5月26日、東京サラブレッドクラブより2024年産募集について更新がありました。6月9日まで募集馬の写真等は見ることはできませんが、血統表から読み取れる印象をまとめてみました。
この記事では、美浦所属予定の牡馬について血統面から出資検討をしていきます。
ラインナップ
ダンシングラグズの24
3月29日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 手塚貴久厩舎

父エピファネイアに母は産駒が東サラさんでは4頭目の募集馬となるお馴染みのダンシングラグズ。ダンシングラグズの産駒はデビューしている2頭とも勝ち上がっていて、優秀な母と言えます。
牝系も優秀で、曽祖母のジュエルプリンセスは米GⅠBCディスタフを勝つなどしていますし、母も米GⅠアルシバイアディーズSを勝っています。従兄弟には根岸Sなど重賞2勝のエンペラーワケアもいて、活力のあるファミリーだと思います。
配合的には兄姉達とは少し違った系統のエピファネイアが父となります。不確定要素はありますが、全体的に米国系寄りなところにシーザリオの血が入るのでバランスは良いと考えます。
良血馬同士の組み合わせですから評価としては文句無しです。恐らく募集価格も高額に設定されると思うので、予算に限りがあるゴリたか君としては手が届かないと思いますが、字面だけでも人気しそうな1頭だと思います。
レッドレグナントの24
2月16日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 大竹正博厩舎

父オルフェーヴルに母は東サラさんで募集され、桜花賞に出走するなど活躍したレッドレグナントの配合。レッドレグナントの産駒ではジョリーレーヌが芝マイルで新馬勝ちをしています。
牝系も優秀で、曽祖母のゴールドティアラはマイルチャンピオンシップ南部杯で勝つなど活躍。叔父には富士Sを勝ったジュンブロッサムがいるなど活力もありそうなファミリーに属しています。
配合的にはオルフェーヴルと相性が良さそうな母父ミスプロ系の組み合わせになります。ミスプロの5×5クロスはラッキーライラックと同じ。ただ、オルフェーヴルとクロフネの相性は良いとは言い切れないところがあるのが少し気になります。
母や半姉が芝で走っていますが、字面からは芝でもダートでも走りそう。
一口馬主を始めたときからオルフェーヴル産駒に出資したいと思っていたゴリたか君にとっては非常に気になる1頭。字面からは手放しで良いとは言い切れないところは残りますが、ノーザンファーム生産ですし、馬体と募集価格次第では出資候補上位になりそう。ただ、募集価格もそれなりの金額かなと思うと悩ましい。
ムーチョアンユージュアルの24
3月2日生/社台ファーム生産
預託厩舎 黒岩陽一厩舎

父キズナと母は米GⅠロデオドライヴSを勝つなどの実績があるムーチョアンユージュアルの配合。叔父には米GⅢトランシルヴァニアSを勝っているビックスコアがいます。
母父がマイナー血統なので、父キズナとの組み合わせでどのような傾向の産駒が出ているか、字面では判断しにくいところがあります。イメージ的にはダート向きなのかなと。
正直字面だけでは評価ができない1頭。他の要素と絡めて評価が必要ですが、不確定要素が多いのでゴリたか君としては手が出しにくいところはあります。
ディエンティの24
3月18日生/奥山ファーム生産
預託厩舎 斎藤誠厩舎

父キタサンブラックに母は東サラさんではお馴染みのディエンティとの産駒。ディエンティの産駒では東サラさんで募集されたルージュカルミアが芝1,800mで2勝を挙げていますが、これまでの産駒の印象としては1流どころの種牡馬の産駒にしては物足りなさを感じてしまいます。
牝系を見ると曽祖母のLotkaは米GⅠエイコーンSを勝つなど活躍。Lotkaからは平安Sなど重賞3勝のマンボツイストが出ています。叔父には米GⅡスーパーダービーを勝ったFantasticat、従兄弟に米GⅠトリプルベンドHを勝ったCentralinteligenceがいるファミリーに属しています。
配合的に父キタサンブラックと母父ストームキャットの組み合わせは、東サラさんで募集されたレッドバンディアラがいましたが、微妙な成績なのが少し気になります。ただ、サンプルがそもそも少ないのでそんなに神経質にならなくても良いのかなとは思います。
牝系は優秀なので、ディエンティからもそろそろ大物が出ても不思議では無いと思うところはありますが、リスクのほうが高いと感じてしまいます。
レッドアネラの24
1月30日生/坂東牧場生産
預託厩舎 加藤征弘厩舎

父クリソベリルに母は東サラの募集馬でダート短距離で4勝を挙げたレッドアネラの配合。レッドアネラの産駒では、東サラで募集されたルージュラナキラ芝1,400mで2勝を挙げています。
牝系はかつてゴリたか君も出資していたルージュエリシアと同じファミリーで馴染みが深いです。重賞で上位に入ったのは祖母の半兄エイシンタイガーくらいですが、勝ち上がる馬が多い系統で信頼性の高い印象があります。ちなみに、叔母にあたるルージュエリシアは残念ながら未勝利で引退でした。
配合的には父クリソベリルで母父カジノドライブですから恐らくダートに適性があるのかなと。配合の狙いが明確ですから、その点は馬体等を見る上でも助かります。
半姉は活躍していますし、字面どおりダートで走りそうな馬体であれば魅力的な1頭になるのではないでしょうか。
レッドアヴァンセの24
3月2日生/ノーザンファーム生産
預託厩舎 木村哲也厩舎

父サートゥルナーリアに母は東サラで募集されヴィクトリアマイルで3着に入るなど活躍をしたレッドアヴァンセの配合。レッドアヴァンセの産駒では東サラさんで募集されたレッドエヴァンスが芝短距離で3勝しています。
叔父には重賞勝ち馬が4頭もいる優秀なファミリーに属しており、今回東サラさんで募集されている従姉妹のレッドオルガの24とは同じ血統構成になります。
半兄のレッドエヴァンスは父ロードカナロアですから、父がサートゥルナーリアに変わっても相性は良いのではないかと思います。字面からは芝マイル〜中距離のイメージ。
字面からはかなり有望に感じる血統構成で、信頼性も高い配合だと思います。
クロフォードの24
4月5日生/山際牧場生産
預託厩舎 加藤士津八厩舎

父スワーヴリチャードに母は現役時代に新潟2歳S3着実績をもつクロフォードの配合。クロフォードの産駒では勝ち上がる馬も出てはいますが、当たり外れがありそうな印象。
祖母のストレイトフロムテキサスは英GⅡナッソーSを勝っています。ファミリーの印象もクロフォードの産駒傾向と似たような感じで、何勝かしたり地方で活躍する馬も出ていますが、当たり外れがありそうな感じがします。
血統表を見るとサンデーサイレンスの3×3クロスで攻めている配合だと思います。意外でしたが、父スワーヴリチャードと母父フジキセキの組み合わせはサンプルが無く、父ハーツクライに母父フジキセキでも実績が見つかりませんでした。
字面は悪くはないと思いますが、リスキーな点も多く高い評価にはしづらいです。
レッドリヴェールの24
4月29日生/社台ファーム生産
預託厩舎 栗田徹厩舎

父ドレフォンに母は東サラさんの募集馬で阪神JFを勝ち桜花賞でも2着の大活躍をしたレッドリヴェールの配合。
レッドリヴェールの産駒ではレーヴジーニアルが勝ち上がっているものの、母の現役時代の実績を考えると記事を書いている時点でデビューしている産駒の成績は低調と言わざるを得ないところ。
近親でも勝ち上がる馬は多いので、レッドリヴェールの産駒も走りそうな感じはありますが、父がドレフォンに変わってどう出ているか興味深いところ。
母が輝かしい実績だけに、どうしても産駒のここまでの成績が引っ掛かります。今までもレッドリヴェールの産駒で募集された馬達には注目してきましたが、今年も馬体やサイズなど見て判断をしたいです。
レッドコルディスの24
3月19日生/富田牧場生産
預託厩舎 宮田敬介厩舎

父モーリスと母には東サラさんで募集され芝2,000mで新馬勝ちしたレッドコルディスの配合。東サラさんで走っている半姉2頭はともに勝ち上がっており、レッドコルディスは母としての実績もあります。
優秀な牝系で、4代母のSlightly Dangerousはウォーニングやコマンダーインチーフの母。曽祖母のYashmakもフラワーボウルHを勝っています。祖母からのファミリーでは特筆するような活躍馬こそ出ていませんが、勝ち上がる馬もそれなりですし悪い印象はありません。
配合的には半姉達とは違った系統の父モーリスになりますが、多くのクロスが効果的に配されている印象で、良く考えられた組み合わせだと思います。イメージ的には芝中距離で活躍しそう。
配合はすごく好みですし、かなり気になる1頭。馬体や歩様、サイズ次第では出資候補になりそうな印象を持ちました。
レッドラフェスタの24
2月9日生/乾皆雄生産
預託厩舎 尾関知人厩舎

父モーリスに母は東サラさんの募集馬で芝中距離で3勝のレッドラフェスタの配合。半姉のルージュラフェリアは勝ち上がれはしませんでしたが、未勝利戦で3着もありますしそこまで悪い印象はありません。
祖母のジューシージーンの産駒でJRAで走った5頭はいずれも勝ち上がっており、なかなか安定感がありそうなファミリーです。
配合的には似たような血統構成同士の組み合わせになりますが、その中でもSadler’s Wellsの4×4クロスがプラスに出るのかマイナスに出るのかが少し気になります。イメージ的には母同様に芝中距離に適性がありそう。
面白い配合で興味はありますが、出資候補になるかと言えば好みから外れるところがあるので難しいところ。
レッドベレーザの24
2月29日生/三嶋牧場生産
預託厩舎 鹿戸雄一厩舎

父ロードカナロアに母は東サラさんで募集され芝短距離で2勝した実績のレッドベレーザ。ゴリたか君は叔母のルージュメサージュと叔父のレッドピアレスに出資しているので馴染みの深いファミリーに属しています。
曽祖母のキャッチアズキャッチャンはヨークシャーオークスを勝っていますし、祖母のレッドメデューサは記事を書いている現在でデビューした産駒全て勝ち上がっている活力十分な印象のファミリー。
母の成績から、父ロードカナロアで芝短距離向きのイメージを持ちますが、血統表だけ見るとどのような産駒に出ても走りそうな印象を持ちます。
馴染みの系統の馬というところはありますが、信頼性は高いと考えますし、字面からは魅力的な1頭です。
ダネガの24
4月23日生/M. Teruya Yoshida生産
預託厩舎 上原佑紀厩舎

父はMinzaalに母はDanegaの配合。半兄には仏2000ギニーを勝ったMarhaba Ya Sanafiがいます。
牝系は4代母のLa Meilleureが愛ダービー馬Soldier of Fortuneの祖母にあたり、活躍馬も多くでている系統に属しています。
父は英GⅠスプリントCを勝ったMinzaalで、恐らく短距離向きの産駒かなとは思いますが、馬体を見ないとなんともいえないところ。また、Sadler’s Wellsの4×3クロスがあるので、日本の芝適性というところでは難しいところがあるかもしれないなと思いますが、どのような馬体に出ているか興味深いところ。
未知数な部分があるので出資候補には恐らくならないとは思いますが、どのような競走馬になるか非常に興味深いです。
特に気になった馬
一通り美浦入厩予定の牡馬を見てみましたが、全体的な印象としては良質そうな馬が多いなという印象。字面から厳しそうと感じる馬は少なく、出資検討は難しくなりそうです。
そんな中で気になった馬は、レッドレグナントの24とレッドコルディスの24。レッドレグナントはずっと出資したいと考えているオルフェーヴル産駒という点が主な理由。一方のレッドコルディスの24は配合がすごく好みで馬体を見るのが楽しみです。
次回の記事では、栗東所属予定の牡馬について見ていきたいと思います。